印象派・ポスト印象派の殿堂から珠玉の作品群が来日

ロンドンのコートールド美術館は、イギリスが世界に誇る印象派・ポスト印象派の殿堂です。美術館の創設者サミュエル・コートールド(1876-1947)はイギリスの実業家で、卓越した審美眼を持つコレクターでもありました。1932年、ロンドン大学に美術研究所が創設されることが決まると、傑出した印象派・ポスト印象派のコレクションを寄贈。研究所はコートールド美術研究所と名付けられ、その展示施設としてコートールド美術館が誕生しました。
美術館の所蔵作品が館外に貸し出されることはめったにありませんが、このほど改修工事のために、多くの名作が来日することになりました。マネ最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》、ルノワールが第1回印象派展に出品した記念碑的作品《桟敷席》、セザンヌ《カード遊びをする人々》、ゴーガン《ネヴァーモア》など、巨匠たちの代表作が勢揃いします。本展では、その研究機関という側面にも注目し、美術史研究や科学的調査の成果を取り入れながら、作品を読み解いていきます。
公式図録は、マネの《フォリー=ベルジェールのバー》をあしらった、洋書のような雰囲気の薄紫色のカバーが目印。ちょっとめずらしい正方形の版型で、作品画像をしっかり大きく掲載しています。作品解説には、「絵画を読みとく」をテーマに据えた本展ならではの特別な仕掛けも。コートールド美術館学芸員と日本を代表する研究者らによるエッセイ5本、今回初来日となるセザンヌの手紙9通の原文と解説が載った、読み応えたっぷりの1冊です。




© The Asahi Shimbun, NHK, NHK Promotions Inc. 2019-2020
カタログ内容
- 仕様:23.5×23.5㎝、266ページ、図版オールカラー
- 目次 コートールド・コレクション カレン・セレス
- The Courtauld Collection Karen Serres
- Chapter 1 画家の言葉から読み解く
- 収集家の眼1 ポール・セザンヌ
- セザンヌのアルカディア―プロヴァンス 永井隆則
- ベルナール宛セザンヌ書簡 永井隆則
- Chapter 2 時代背景から読み解く
- 収集家の眼2 ピエール=オーギュスト・ルノワール
- 1874年のルノワール《桟敷席》 大橋菜都子
- 《フォリー=ベルジェールのバー》をめぐる考察 三浦 篤
- Chapter 3 素材・技法から読み解く
- 収集家の眼3 ポール・ゴーガン
- サミュエル・コートールドとポール・ゴーガン
- ―フランスとイギリスを中心としたコレクション形成史の視座から 小泉順也
- コートールド美術館展とサミュエル・コートールド
- 作家解説
- 参考文献|Bibliography
- 作品リスト| List of Works
展覧会情報
- コートールド美術館展 魅惑の印象派
- 2019年9月10日-12月16日東京都美術館
- 2020年1月3日ー3月15日愛知県美術館
- 2020年3月28日ー6月21日神戸市立博物館
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