四天王の中でも単独の像として信仰される特別な存在である毘沙門天の優品が大集合

四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)は、須弥山(しゅみせん)世界の四方にいて、仏教世界や仏法を守るカミです。このうち北方を守護する多聞天は、「毘沙門天」の名で単独の像としても造像、信仰され、四天王のなかでも特別の存在でした。武神として武器を持ち、力強いポーズをとる姿が典型です。
本展は奈良国立博物館で2020年2月に開幕しましたが、新型コロナウイルスの影響で、残念ながら会期途中で閉幕となりました。本図録では、日本各地からよりすぐりの毘沙門天彫像の魅力を、様々な方向から撮影されたカラー写真で余すところなく紹介します。京都の鞍馬寺が所蔵する国宝の毘沙門天は、寺の南方にある平安京の方向を見はるかすポーズが特徴的で、他に類を見ません。特別展に出品されたのは今回が半世紀ぶりという傑作です。その他、多様性に富むさまざまな毘沙門天像の優品に加え、近年新たに発見された作品や新たな研究成果も紹介し、毘沙門天の魅力に迫る仏像ファン必携の一冊です。




カタログ内容
- 【2020年発行、297×219mm、176ページ、図版オールカラー】
- 全国から毘沙門天彫像の優品を集めた特別展の公式図録です。表紙は国宝 毘沙門天立像(京都・鞍馬寺蔵)
展覧会情報
- 特別展 毘沙門天 -北方鎮護のカミ-
- 2020年2月4日~3月22日(2月27日以降臨時休館、閉幕) 奈良国立博物館