コンスタブルの画業について日本語で読める、他に類を見ない1冊

豊富な拡大図により、小さなモティーフやコンスタブルの筆触まで、つぶさに見られます。
ターナーと並び英国風景画の二大巨匠と称される、19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブル(1776‐1837年)の画業を紹介する「テート美術館所蔵 コンスタブル展」。日本では35年ぶりとなる初期から晩年までの作品を集めた大回顧展であり、テート美術館から、同時代の画家の作品も含め60点が来日します。
ターナーが絶えず各地を旅して、国内外の景観を膨大な数の素描に収めたのとは対照的に、コンスタブルの特徴は、ひたすら自身の生活や家庭環境と密接にむすびつく場所を描いたことです。故郷サフォーク州の田園風景をはじめとして、家族や友人と過ごしたソールズベリー、ハムステッド、ブライトンなどの光景を写した生気あふれる作品の数々は、この画家が何を慈しみ、大切に育んだのかを雄弁に物語ってやみません。
公式図録では、初期から晩年の代表作を含めた本展出品全作品を、カラー図版と解説文付きで紹介。主要大型作品には、部分拡大図も併せて掲載しており、細部に描き込まれたモティーフや画家の筆遣いを目の当たりにし、描かれた世界に降り立ったような気持ちを味わえます。コンスタブルが愛し、代表作を描いた土地が一目で分かる、イングランドのマップ付き。 日本語でのモノグラフ刊行は、実に四半世紀ぶり。日英の専門家らによる論文4本にコンスタブルの生涯を追った年譜、英国絵画にまつわる用語解説集までをも網羅した他に類を見ない、コンスタブルをまるごと知ることの出来る1冊です。







© 2021 The Asahi Shimbun
カタログ内容
- ページ数:224ページ、B4変型:310×240mm
- 「自然を見る技」― コンスタブル、画家としての野心と没後の評価 アン・ライルス
- ‘The Art of Seeing Nature’: Constable, professional ambition and posthumous reputation Anne Lyles
- カタログ| Catalogue
- 1 イースト・バーゴルトのコンスタブル家 The Constable Family at East Bergholt
- 1.1 初期の影響と同時代の画家たち Early Influences and Contemporaries
- 2 自然にもとづく絵画制作 Painting from Nature
- 2.1 同時代の画家たちによる戸外制作 Plein-Air Work by Constable’s Contemporaries
- 3 ロイヤル・アカデミーでの成功 Success at the Royal Academy
- 3.1 ハムステッド、およびコンスタブルと同時代の画家による空の研究 Hampstead and Sky Studies by Constable and his Contemporaries
- 4 ブライトンとソールズベリー Brighton and Salisbury
- 5 後期のピクチャレスクな風景画と没後の名声 Late Picturesque Landscape and Posthumous Reputation
- 5.1 ロイヤル・アカデミーでの競合 Competition at the Royal Academy
- 5.2 イングランドの風景 English Landscape
- 5.3 晩年 Final Years
- コンスタブル主要作品関連地図| CONSTABLE MAP
- コンスタブル vs ターナー― 同時代の批評を中心に 荒川裕子
- コンスタブルのフランス受容―1824 年のサロンとその周辺 杉山菜穂子
- コンスタブルの空― 独自性にいたる契機 加藤明子
- コンスタブル年譜
- 用語解説
- 主要参考文献| Selected Bibliography
- 作品リスト| List of Works
展覧会情報
- テート美術館所蔵 コンスタブル展
- 2021年2月20日(土)~5月30日(日)、三菱一号館美術館(東京・丸の内)
- ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、会期・会場が変更になる場合がございます
- 公式サイトはこちら