商品番号:2195
聖林寺は、藤原鎌足の長子定慧(じょうえ)により妙楽寺(現在の談山神社)の別院として創建されました。この寺に伝わる十一面観音立像は、三輪山を信仰する大神神社の境内にあった神宮寺の本尊でした。天武天皇の孫・智努王(ちぬおう)を願主につくられたとの説があります。1868年に聖林寺に移されました。
十一面観音は、深い慈悲によって衆生から一切の苦しみをとり去る功徳を持つとされます。この傑作は、大まかな原型は木で、漆と木粉をぜた木屎漆(こくそうるし)で細部を仕上げる「木心乾漆造り」でつくられました。
均整のとれた豊かな身体に慈悲深いまなざし、美しい衣の表現、指先の繊細な動き。まさに天平仏の傑作です。その美と存在感に圧倒され、いつまでも見入ってしまいます。
かのフェノロサをはじめ、哲学者の和辻哲郎や写真家・土門拳らを魅了してきた十一面観音立像。そのたぐいまれな造形美をヒノキの木彫像で忠実に再現したのが本品です。
聖林寺から詳細な資料の提供を受けた仏像専門店が、技術を結集して仕上げました。その出来栄えには、同寺のご住職も感嘆したほどです。
数量限定となる貴重な本品。ご住職が揮毫した箱書き(複製)入りの桐箱に収めてお届けします。