頼れる切れ味、キッチンバサミ(2024年11月12日朝日新聞朝刊掲載)
鍛造オールステンレスキッチンバサミ
台所作業の際、目立ちはしなくとも頼れる相棒になるのが「質の良いキッチンバサミ」だ。
袋を開けるだけでなく、薬味や、時には肉や魚やピザもチョキチョキ。包丁とまな板を出すのは億劫(おっくう)というときに大活躍してくれる。
キッチンバサミなんて今時100円でも買えるが、貝印の2種のステンレス製「キッチンバサミ」を使っておどろいた。熟練職人の手によってつくられた堅牢な鍛造製。シャキッとした鋭い切れ味は、老舗の刃物メーカーならではだろう。
定番のストレート刃も良いが、刃がカーブしたものが抜群に使いやすい。上向きのカーブを描く細くて長い刃は、食材を持ち上げながら切るため奥まで楽に切り進められる。刃についたギザギザも、食材をしっかりホールド。すべりやすい生肉などもノーストレスで切れるのだ。
使用後は、二つに分解して洗浄。継ぎ目のない一体型なので、洗いやすく清潔に保てる。これなら第二の包丁、いやそれ以上の働きを見せてくれるはずだ。
わずか10分で水出しコーヒー(2024年5月14日朝日新聞朝刊掲載)
コールドブリューメーカー
気温が上がると飲みたくなるアイスコーヒー。水でじっくり抽出する「コールドブリュー(水出し)」なら苦みや渋みが出づらく、あっさりと飲みやすい。ただし、従来なら8時間以上は置かねばならなかった。
ところが、「EPEIOS」の「コールドブリューメーカー」なら、わずか10分で抽出可能。ひいたコーヒー豆と水を専用タンブラーに入れ、ボタンを押せば自動でできあがる。
秘密は加圧と減圧を繰り返して抽出スピードを上げる真空抽出技術。フィルター部分も細かい120メッシュを採用し、仕上がりの味わいにこだわった。
実際に試してみると、タンブラー内で水が上がったり下がったり……。水がどんどん色づくのを眺めるだけでも面白い。濃いめの仕上がりがお好みなら、フレンチローストなど深煎りの豆がオススメだ。
充電式で、アウトドアでも使用可能。さっそく皆の前で披露して、「おお~」と言わせてみたいとほくそ笑んだ。
しなやか、手作り棕櫚(しゅろ)のほうき (2024年3月13日朝日新聞朝刊掲載)
日本製棕櫚皮ほうき ミドル・柿渋はりみちりとりセット
台所に棕櫚(しゅろ)のほうきを置くようになり、掃除の習慣が変わった。我が家の台所の床は白い大判のタイル貼りで、ごみやほこりが目立つ。気がつくたびに掃除機で吸い取っていたのが、ほうきではくようになったのだ。
愛用しているのは和歌山県海南市の「ブルームクラフト」の「棕櫚皮箒(ほうき)ミドル」。棕櫚製品作りで知られる同市で、職人が一つひとつ製作している棕櫚皮を使ったほうきだ。
細くしなやかで弾力のある棕櫚の繊維は、ほこりを舞い散らせることなくしっかりキャッチ。先が斜めになっているのも掃きやすく、驚くほどきれいになる。掃除機のように音がせず電力も不要で、サッと使って戻せるのもいい。
なにより、使っていると気分がいいのだ。貴重な棕櫚を使って、職人がていねいに束ねたほうきは一生もの。見とれるほどに美しい。
今どきほうき? いやいや、先人の知恵と技術が詰まったアナログの掃除道具。今一度、手に取ってみてほしい。
お茶やコーヒー、理想の温度で (2024年1月16日朝日新聞朝刊掲載)
温度調節ドリップケトル
紅茶なら95度、コーヒーなら90度、緑茶なら85度前後……。いつでも理想の温度でお茶やコーヒーを飲みたいと思ったことはないだろうか。
私は一日中、なにかしら温かい飲み物をいれている。これまではやかんで湯を沸かしていたため、常に温度は100度。「熱っ」と言いながら緑茶を飲んでいた。でもレコルトの「温度調節ドリップケトル」を導入してみたら格段に快適なのだ。
まず電気ポットなので、1度単位で温度調節が可能。そのほかワンタッチで100度になる「沸騰モード」ボタンもついている。直近で設定した温度を記録する「メモリー機能」は毎回決めた温度に設定でき、湯沸かし後20分は保温してくれる。
デザインも台は木目調、ポットはステンレスと、スタイリッシュ。コーヒー好きにはうれしい細い注ぎ口と、微細な注湯ができる握りやすいハンドルも気が利いているではないか。
もうこれで、緑茶をフーフー冷ます日々にはおさらばだ。
使いやすい!丸底のフライパン (2023年11月16日朝日新聞朝刊掲載)
北陸アルミニウム まるっとパン(蓋付き)
我が家には8個のフライパンがある。イタリアものや鉄製などよりどりみどりだが、最近はそのうち一つしか使っていない。あまりにも使いやすくて!
それは富山の老舗メーカー・北陸アルミニウムの「まるっとパン」。深さ8センチの深型フライパンで、焼く、炒めるはもちろん、ゆでる、煮る、蒸すも得意。ポイントは丸くなだらかにくぼんだ底で、食材を入れると自然に中心へ寄っていく。
おかげで、少ない油でも調理が可能、カーブのおかげで炒め物もフライパンを振りやすい。さらには鉄の3倍というアルミニウムの熱伝導の良さで、ホットケーキや餃子も驚くほどきれいに焼けるのだ。
形状は中華鍋に似ているが、底がグラつかず誰でも調理しやすいのが特徴。この複雑な形は通常のプレス成型では作れず、溶解したアルミを型に流し込む特殊鋳造なのだそう。
もはや手に取らない日はない頼りになる相棒。これ一つあれば、もうほかは断捨離か?
好評の鉄製揚げ鍋、「ミニ」新発売 (2023年7月11日朝日新聞朝刊掲載)
ふたつき鉄製ミニ揚げ鍋・13cm
昨年6月に口径18センチのものを発表し、「揚げやすい」と大好評をいただいているが、心に引っかかっていたのは「少量だけ揚げるには大きい」という声。確かに「お弁当のために鶏からあげを3個だけ揚げたい」「とにかく揚げ油を減らしたい」などのニーズもあるだろう。
そこで今年6月に新発売したのが口径13センチの「ふたつき鉄製ミニ揚げ鍋」。前作と同じ鉄製なので熱伝導が良く、ビギナーでもカラリと揚がる。上部につけた油跳ね軽減のカーブはそのままに、使いやすい片手鍋に。ふたは裏返すとバットになるのが特徴だ。スタイリッシュなデザインなので、インテリアをじゃましないのもうれしい。
調理法に特化した鍋で揚げると、仕上がりは段違い。ぜひ今年の夏は、冷たいビール片手に、アツアツの揚げ物を楽しんでほしい。
丈夫でおしゃれ、リネンエプロン (2023年5月18日朝日新聞朝刊掲載)
フルエプロン マノン
食に関する文章を書いたり、レシピを紹介したりする仕事柄、エプロンはたくさん持っている。家にいるときは常に着けているほどなので、その使い勝手には少々うるさい。そんな私が、「これだ!」と惚れこんでいるのが「リーノ・エ・リーナ」の「フルエプロン マノン」だ。
リトアニア製で、素材は丈夫なリネン100%。洗うほどにくたっと風合いが出る。ひざ下まですっぽり隠れる長めの丈やヒップを包むデザインは、スタイリッシュなだけでなく汚れからがっちりガード。全身のシルエットがスッキリ見えるのもうれしい。
首ひもとポケットには、おしゃれなアクセントカラーのタグが。前で結ぶ腰ひもで丈を調整でき、男女共有で使ってもいいだろう。
色違いで何枚も所有しており、毎日腰ひもをキュッとしめて台所に立つ。料理へのやる気を湧かせるための大切な相棒なのだ。