熟成でやわらか、肉厚牛たん(2024年8月3日朝日新聞朝刊掲載)
肉厚牛たん(塩味 500g)
仙台を訪れるたび、楽しみにしているのが名物の牛たん。とはいえ最近はすっかり高級品になり、牛たん専門店へ行くのにも気合がいる。そんな中、仙台の老舗精肉店「肉のいとう」の「肉厚牛たん」なるお取り寄せ品を知った。
長時間熟成させ、やわらかさとうまみをじっくりと引き出した厳選牛たん。それを職人が1枚1枚丁寧に手切りし、伝統の塩だれに漬け込むという。
箱を開けると、ドーンと500グラムの冷凍牛たん。3~4人で食べても十分な量だろう。香ばしく焼いた牛たんをひと口食べて、まず驚いたのはその肉厚ぶりとやわらかさ。食べやすく切れ目を入れているとはいえ、歯がしっとりと食い込み、この分厚さでも簡単に嚙(か)みちぎれる。
熟成された肉ならではのうまみをひと口ごとに堪能でき、味つけのあんばいもなんともほどよい。
店のキャッチコピー「かたい信用 やわらかい肉」に偽りなし。もうこれで仙台へ行かずとも、牛たん欲が満たされてしまいそうだ。
一口サイズの幸せ、うなぎ飯蒸し(2024年6月17日朝日新聞朝刊掲載)
うなぎ飯蒸し 6個入り
食べると元気が出る「ごちそう」は、人によりさまざま。私はといえば、断然うなぎ! ところが最近、脂ののったうな重を一人前食べ切ると、胃が少々もたれるありさま……これは困ったぞ。
それを解決したのが、滋賀県・近江今津の老舗うなぎ店「西友(にしとも)」が仕込む「うなぎ飯蒸し」。一口サイズのもち米入りごはんに、炭火で焼いた関西風のかば焼きをのせて蒸しあげた店自慢の逸品だ。
竹皮の包みを開くと、山椒(さんしょう)の香りがふわり。一口食べれば、秘伝のたれがしみ込んだもちもちのごはんに、脂がのった香ばしくやわらかなうなぎのコントラストが心地よい。ああ、これぞ幸せの味。
冷凍商品なので備蓄も可能。「おいしいものを少しだけ食べたい」ときの、強い味方となってくれるに違いない。そうだ、うなぎ好きの両親にもたまには贈ってあげようかな……。そんなことを考えつつ、2つ目の飯蒸しに手を伸ばした。
老舗が手掛ける、冷凍巻きずし (2024年4月16日朝日新聞朝刊掲載)
芝寿し 太巻き2種とキンパ2種セット
小腹がすいたとき、頼りにしているひとつが押しずしなどの「冷凍すし」だ。最近、その備蓄ラインアップに巻きずしが加わった。それも、石川県が誇る老舗「芝寿し」が手掛ける逸品と聞けば、期待も高まる。
丁寧に仕込まれた「太巻き2種とキンパ2種セット」。定番の「えび入り太巻き」「あなご入り太巻き」のほか、韓国の太巻き「プルコギキンパ」「鮭キムチキンパ」がそろう。
封を開けると小ぶりの太巻きが8切れ入っていて、レンジで数分温めるだけ。冷凍とは思えないクオリティーの巻きずしができあがる。
さすが、名店仕込み。ほど良いあんばいの酢飯にプリプリのゆでえびや香ばしいあなごなどがキュッと巻かれ、職人の手間暇が伝わる。キンパはボリューム満点で、子どもも喜びそうだ。おなかも心も大満足な備蓄品、頼りにさせてもらおう。
「揖保乃糸」、即席のにゅうめん (2024年2月14日朝日新聞朝刊掲載)
揖保乃糸にゅうめん 3種12食セット
夏場にそうめんを買うなら「揖保乃糸」。そう決めている人も多いのでは。私も色々なメーカーを食べ比べたが、やはりその味とのどごしのゆるぎなさを思い知り、今ではこのブランドから浮気をしていない。
そんな「揖保乃糸」から出た新商品が袋入りの即席麺「にゅうめん」だ。1人分ずつ個包装されており、丼にノンフライ加工の麺と具材、お湯を入れたら3分。粉のスープを加えればもう食べられる。
これが大層おいしい。お湯をかけただけとは思えないつるつるしこしことした極細のそうめんに、やさしい味わいの和風だしスープがよく合うのだ。
味は3種。瀬戸内の天然マダイ入りの「たい風味」、さわやかな「ゆず風味」、ぷっくりとした和歌山の梅干し付き「うめ風味」。どれもあっさり低カロリー。小腹がすいた時や体調がイマイチのときにも重宝する。夏だけでなく一年中楽しめる、我が家の定番備蓄品に決定だ。
柿の葉すし、7種のぜいたく (2023年12月12日朝日新聞朝刊掲載)
柿の葉すし(35個入り)(のどぐろ・能登牛・サバ・紅鮭・鯛・海老・穴子)
「小腹がすいたな…」。そんなとき、私が頼りにしているのが石川県「高野商店」の冷凍「柿の葉すし」だ。
上品な木箱で届くのだが、ふたを開けるとそこにはズラリと並んだ35個の柿の葉すしが。葉に包まれた状態ではわからないが、のどぐろ、能登牛、サバ、紅鮭、鯛、海老、穴子と7種の具材が押しずしとなり詰まっている。
米は地元の加賀産を使用。押しずし専用に開発した醸造酢を使った酢飯とぜいたくな具材が合わさり、食べると柿の葉の香りがふわりと広がる。冷凍品というのがポイントで、食べたいときに好きな量だけ自然解凍できるのが便利なのだ。
「3Dフリーザー」という特殊な装置で冷凍されているため、シャリもネタも冷凍品とは思えない。包みを開くまで中身はわからないので、「これはどのネタかな」とワクワクするのも楽しい。これからの年末年始の家時間にも、心強い冷凍ストックになってくれそうだ。
生ハム、削り立てを味わう幸せ (2023年10月9日朝日新聞朝刊掲載)
スペインクラブ ミニ・ハモン(台・ナイフ付)
レストランで生ハムを頼んだら、骨付きブロックから削り立てを出してくれた……。そんな体験をしたことがある人もいるのでは。かくいう私も「家でやってみたいなあ」と憧れたけれど、さすがに大きすぎる。そう諦めていた時に出会ったのが、「スペインクラブ ミニ・ハモン・セラーノ」だ。
大きさは両手にのるほどで約950グラム。スペイン産の豚肉で仕込まれており、熟成期間は12カ月以上の高品質生ハム。肉を固定する専用台とナイフも付属しており、届いたらすぐにレストラン気分を味わえる。
さっそく削ってみると、最初は薄く削(そ)ぐのが難しい。でも何度か練習するうちに、お店のような薄さに! 食べてみれば、濃厚な赤身と甘い脂のバランスも程よく、なんともワインが進むお店の味に大満足だ。
秋の夜長にひとりまったり味わうもよし、仲間を呼んでワイワイ盛り上がるも良し……。また大人のおいしい楽しみを見つけてしまった。
辛みまろやか、絶妙ユッケジャン (2023年8月7日朝日新聞朝刊掲載)
博多ユッケジャン(450g×3袋/6人前)
数年前から定期的に取り寄せる韓国のスープがある。それは、博多の焼き肉店「大東園」の真っ赤なピリ辛牛肉スープ「博多ユッケジャン」。決して自宅では作れないスペシャルな味わいで、これぞ取り寄せがいがある一品だと毎回うなってしまう。
昭和45年から続く焼き肉の名店がつくるだけあり、材料に使う肉は質の良い和牛のみ。強火で長時間煮込んだ濃いうまみの牛骨スープに、牛肉はもちろん、たまねぎ、干しずいき、しめじなどの野菜もたっぷり入っている。
真っ赤な色はさぞかし激辛なのかと思えば、意外にもまろやかな辛み。これは韓国唐辛子をていねいに天日干しすることで、ただ辛いだけではない絶妙なバランスを引き出せるのだそう。
まるで韓国のオモニ(お母さん)が家族に作るようなやさしいスープだ。ごはんを入れてクッパにしたり、卵や豆腐を加えてみたり。お疲れ気味な時や忙しい時も、この一杯に助けられている。そんな名品である。
魚の生ハム、ピュアなうまみ凝縮 (2023年6月19日朝日新聞朝刊掲載)
天然お魚の生ハムセット
生ハムといえば、ヨーロッパの骨付き豚もも肉の塩漬けをイメージする人がほとんどだろう。私が最近ハマっているのは、新潟県の佐渡島で作られる「天然お魚の生ハムセット」。刺し身にはない味と食感に魅了されてしまったのだ。
佐渡島の近海は、対馬からの暖流と、寒流とが交わる魚介の宝庫。佐渡島の人々は魚の扱いのスペシャリストとも言えるが、行きついたのが魚を生ハムのように熟成させること。鮮度のいい魚介に塩をし、ゆっくりと低温で丁寧にいぶすのだという。
まぐろ、鮭、ぶり、ふぐ、たこ……、ごく薄くスライスされたものを一口食べれば、しっかりとした歯ごたえとともにギュッと凝縮されたうまみが口に広がる。発色剤、保存料などは一切加えない完全無添加なので、色見は正直言って地味だ。でも、かめばかむほどピュアな魚介のおいしさだけが伝わる。
日本酒にもワインにも合う魚介のおつまみ。晩酌の新たな相棒となってくれそうだ。